伽羅通信

第12号(2008年4月14日)

伝統工芸の美が結晶した「香道具」

奥ゆかしくも洗練された所作で香木をたき、その薫りを文学的テーマで鑑賞する香道は、茶道、華道と共に室町時代に形づくられました。お香席では、香木の希少性に心配りした独自の扱い方が連綿と受け継がれ、使用する「香道具」にも伝統工芸の粋が尽くされています。

「馬尾蚊足(ばびぶんそく)」の心とは?


歴史がはぐくんだ香道の様式

香道では、香木の薫りを嗅ぎわけることを「聞く」と言いあらわします。聞香炉の灰に小さな炭団を埋め、銀葉(雲母板)に細かく切った香木の小片をのせてたき、かすかにくゆる薫りを聞きわけます。昔の人達は「馬尾蚊足」と表現し、馬のしっぽの毛や蚊の足のように少量の香木で幽玄な薫りを楽しみました。その心は、日本では産出しない貴重な香木を大切に永い間使うためで、先人たちの心配りのおかげで今日でも、受け継がれてきた香木を楽しむことができるのです。人間の五感のなかでもとりわけ繊細な 嗅覚 を主役にした香道は、まさに日本人ならではの感性が生み出した伝統文化といえるでしょう。

伝統工芸の技と美が結晶した「香道具」


松竹梅や千鳥が漆にきらめく蒔絵

安土桃山から江戸期には、貴重な香木ふさわしく豪奢を極めた「香道具」がつくられました。公家や大名家で用いられ、姫君の嫁入り道具となった「十種香箱」には、流麗な花鳥風月や家紋などの蒔絵が施され、中に納めた「香盆」「聞香炉」「札筒」「火道具」など10種類の香道具も最高の素材と技術でつくられています。こうして、蒔絵師をはじめ金工、木工、漆、象眼など数多くの専門職が丹誠込めて手作りした「香道具」には、時代を超えて感動をよびおこす華麗な 伝統美 が息づいています。

関連商品

香を楽しむための基本的な道具は、聞香炉と火道具(七つ道具)そして灰・炭団・銀葉です。天薫堂の「銀製象牙柄火道具7点揃」は、貴重な 象牙 を柄に使った純銀製で、デザインの美しさだけでなく、手に馴染んでとても使いやすい 機能美 を兼ね備えた最高級の火道具です。制作者は比類なき技術と芸術性で数々の栄誉に輝く鍛金士石黒光南(二代 光南)氏。斯界第一人者が丹誠込めて創りあげたこの逸品には、本物だけが持つ贅な輝きがあります。天薫堂でぜひ一度、お手にとってご覧ください。

【生産終了】
香道具 銀製象牙柄火道具7点揃

火筋、灰押さえ、羽ぼうき、銀葉ばさみ、香匙、香筋、鶯の七点セットに、「火道具入れ 古袱紗」(着物工房原山氏作)付き。

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