仏事・法事の基礎知識​
お線香

お線香のはじまりは?

お線香の起源は1400年以上昔の、聖徳太子の時代にさかのぼります。推古天皇3年(595年)に淡路島に香木「沈香」が漂着したのがはじまりとされ、仏事や神事に使われるようになりました。現在のような棒状(スティックタイプ)の線香になったのは江戸時代初期といわれています。

お線香の産地は?

主に、近畿地方の堺・京都・大阪・淡路・播州や関東地方の日光などで生産され、産地それぞれの特色が生かされています。

お線香の種類は?

使用される原料によって、以下の「匂い線香」と「杉線香」の2種類に区別されます。

匂い線香

椨(たぶ)の木の皮を基材として、香木や香料を各種調合したお線香です。ご家庭で使用されているお線香の大部分を占め、最近では、炭を原料にした煙の少ない匂い線香も人気を集めています。

杉線香

杉の葉の粉末を原料として、杉特有の香りのお線香で、主にお墓参りなどに使われます。

お線香とお香のちがいは?

原料や作り方など、基本的なことは「お線香」も「お香」もまったく同じです。どちらかといえば、「お香」は薫りを楽しむためのものであり、「お線香」は仏事などに用いられます。ただ、香りの好みで「お線香」を「お香」として、または逆に使っていただいくこともできます。

お線香の選び方は?

基本的には薫りで選びますが、人それぞれの好みがありますので、自分に合ったお線香をお選びください。
機能的には煙の量の多少にわかれます。煙のあるお線香では「玉芝」「若宮」「鎌倉五山」「源氏山」、煙の少ないお線香では「華ごころ」「沈香朝比奈」がおすすめです。

お線香の原料は?

お線香は、さまざまな原料の調合によって作られます。主に天然原料で、その多くは漢方薬としても用いられています。代表的な原料は、椨(たぶ)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)・桂皮(けいひ)・丁子(ちょうじ)・大茴香(だいういきょう)などです。

お線香をなぜあげる?

お線香をお供えすることは、香煙を通じて仏様とお話しすること。また、ご自分の身を清めたり、仏様の食事という意味合いもあるようです。なによりも、よい香りで心を落ち着け、仏様と向き合うことに大きな理由があると言われています。